何を食べ、何を食べないのか?
私自身は、子どもの頃からずっとお肉が大好きでした。姉は、クリスマスディナーに出てくるチキンを「可哀そう」と言って手を付けようとしない感受性の強い子どもでした。私は、食べない姉の分も平らげてた記憶が…。
ところが、イギリスに住み始めたある日。食事に招待した友人がペスカタリアン(魚は食べるベジタリアン)でした。その時、彼から「お肉を食べることが、世界の飢餓問題につながっている」と、聞きショックを受けました。
その日から、少しずつ、我が家のお肉の消費量は減っていきました。そうして1年が経った頃、あんなに大好きだったお肉が美味しく感じられないことに、家族全員がハッキリと気が付いたのです。
夫や息子はもはやお肉をおいしく食べられなくなってしまったことを悲しんでいました。でも、確実に味覚が変わったのです。美味しくないならわざわざ食べることない。ましてや飢餓問題を生み、動物の命を奪ってまで…、と私は思いました。
数年後、Twitterでヴィーガン人から今度はアニマルライツの観点からの課題を突き付けられました。スーパーで切り身になって売られているお肉や、牧歌的なイメージを前面に押し出した乳製品の商品からは想像もつかないほど残酷な飼育状況を知り、さらなるショックを受けました(ヴィーガンドキュメンタリー’Dominion’)。
正直、それまでは「お肉を食べていない」ことで満足していました。でも、知ってしまった以上見て見ぬふりは出来ません。すぐになんでもやめられるわけではありませんでしたが、少しずつ出来る範囲で乳製品も減らしていく努力を始めました。今はプラントベースの製品で満足しています。
現在でも私は完璧なベジタリアンでも、ヴィーガンでもありません。誤解を恐れずに言うなら、ヴィーガンになることが目的でもありません。正しい情報を積極的に集め、自分たちの状況に鑑みながら、最終的には自分の出来る範囲で努力していくこと。これが私のスタンスです。
エコに暮らす
昔から、大量消費社会には疲れを覚えていました。子どもの頃から自然が好きだったので、美しい山や川が人間によって汚されていくことに心を痛めていました。
困ったことに環境問題も食の問題と同じで、深刻な問題は日常生活で直接私たちの目に触れることはありません。でも、イギリスで暮らすようになって、プラスチックの問題が大々的に取り扱われていたので、「目の前の山や川」だけでなく、より大きなスケールで環境に配慮することを教えられました。
そして、エコな暮らしは、実はそれ自体が魅力的だと気付きました!使う洗剤のこと、電球の種類、商品を買うより手づくりすること…。エコに暮らすことは、生活のなかで遠くの自然を想うこと、丁寧に暮らすことなんです。
エコは小さなところから始められます。「エコ先進国」のヨーロッパでの取り組みや知恵を、日本のみなさんにもご紹介できたら幸いです。
Vegecologyを始めた理由
このように、私はプラントベースの食生活のしてもエコ活動にしても、みなさんを何かリードできるような実践家でも専門家でもありません。むしろ、私自身もっと理解を深めたい、取り組んでみたいという思いがあるので、ならばそれを公開記録にして関心のある人たちにシェアしてみてはどうだろう?と考えたのです。
また、私がお肉をやめたいと思った時、真っ先に心配したことは食事のメニューでした。「お肉なしで、どうやって毎日の食事を作ればいいのか?」と。
でも、調べてみるとお肉なしでも美味しいものはたくさんあるんです!特に私の暮らすイギリスは、ベジタリアン・ヴィーガンが多いので、レシピも豊富です。ですから、同じような理由で躊躇している人に菜食の魅力をお届けしたい、と思いレシピをシェアすることにしました。
VegEcologyが、食のこと、環境のことを考える場となり、地球がみんなにとって少しでも幸せな場所になりますように祈りつつ。
霧立灯