
日焼け止めクリームが、サンゴ礁の破壊や海洋汚染につながっているー。
環境問題に関心のある人なら、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。私も、数年前に知りましたが、当時は海水浴とは無縁の北国スコットランドに住んでいたこともあり、自分自身で取り組んでこなかった課題でした。
しかし日本に帰ってきて、いざ海水浴に行こう!というときに思い出したのがこの問題でした。決して完ぺきではなかった私の取り組みから分かった、サンゴ礁や環境に一番やさしい「日焼け止め」について、今日はお分かちしたいと思います。
日焼け止めクリームがサンゴ礁に悪い理由
日焼け止めクリームに含まれる、「オキシベンゾンとオクチノキサートは成長過程のサンゴを殺すだけでなく、サンゴの白化を加速させ、その他の海洋生物の遺伝子を傷つける」ということが分かってきました。
毎年6千~1万4千トンもの日焼け止めクリームが、海水に流れ込み、サンゴ礁にたどり着いていると推計されています。
2013年では全体の日焼け止めクリームの75%、そして2018年でも約半数の日焼け止めクリームやローションにこの有害物質が使用されているといいます(BBC NEWS)。これはイギリスでのお話なので、日本で売られている製品を調べてみたら、もっと多いだろうと思います。
日焼け止めを禁止している国や地域

これを受けて、2018年ハワイ州ではサンゴ礁に有害な物質を含む日焼け止めクリームの販売を禁止する法律を可決しました(施行は2021年から)。ハワイ州の外から持ち込んだ日焼け止めに関しては規制の対象外となるとのことですが、旅行者は何のための法律なのかをしっかりと考える必要があります。
また2020年にはパラオでも、サンゴ礁に有害な10種類の化学物質を含む日焼け止めやスキンケア製品の販売・使用を禁止する法律が施行されました。違反者には1000ドル(約11万円)以下の罰金も科せらます。旅行者が持ち込んだ場合は没収されるといいますから、ハワイよりも厳しいといえるでしょう。
【日焼け止めを禁止している国・地域のまとめ】(2020年現在の情報)
・パラオ(2020年より)
・ハワイ州(アメリカ合衆国 2021年より)
・キーウェスト(アメリカが州国フロリダ州 2021年より)
・ボルネオ諸島(2021年より)
ちなみに、メキシコの一部(カンクン、カボサンルーカス、トゥルムなど)では、現在は法律では禁止されていないものの、有害成分の入っていない日焼け止めを選ぶように旅行者にも呼び掛けているそうです。
サンゴに優しい日焼け止めクリームって?
市販の有害物質を含まない日焼け止めの効果
これらの禁止を受けて、サンゴ礁や海洋生物に有害な化学物質を使用していない日焼け止めが開発され始めました。私も、海水浴に行く前にかなり検索しました。
でも、商品の口コミを見てみると、「日焼け止めの効果はあまりなかったけど、サンゴに優しい分仕方ないと思っています」とか「しっかり焼けました!」というちょっと残念なレビューが…。
サンゴに優しいのはいいけど日焼け止め効果がないのも困ります。私はとりあえずいろいろ検索した結果、オーガニックでSPF50+ PA++++(ウォータープルーフ)という、有害物質フリーで最強そうな日焼け止めを買ってシュノーケリングの旅に出ました。
結果はどうだったかと言いますと…。
家族全員、こんがり焼けました…。
2時間おきに塗りなおした結果です。塗り忘れた場所は、後日皮がむけるほど焼けましたから、塗ったところは一定の効果はあったと言えます。でも、灼熱の太陽のもと、丸二日間シュノーケリングをしていたので、体の裏側は本当に焼けました。

そして、とても気になったことがありました。
それは、2日間、家族3人でほぼ使い尽くした日焼け止めのチューブを見た時です。オーガニックで有害物質フリーとはいえども、チューブの中のクリームをほとんど美しい海の中に流し込んでしまったんだ、と思うといい気持ちはしませんでした。
有害物質さえ入っていなければ、魚やサンゴ礁に本当に100%無害なのでしょうか?
海水を直接体内に取り入れている魚たちは「全然構いませんよ」と言うでしょうか?
私なら、たとえ無害だとしても、クリームの溶け込んだ水を飲めと言われたら嫌です。そして、日焼け止め効果もそこまでないのだとしたら、なおさらそんな日焼け止めを高いお金を払って(オーガニックは普通の日焼け止めの倍はします)買う意味がどこまであるのでしょうか?
これこそ、本当にサンゴ礁に優しい「最強の日焼け止め」
海水浴をしていた時に、たまに長袖の水着を着て泳いでいる人たちを目にしました。中には、ウエットスーツの人もいました。
これならほとんど皮膚の露出がないので、日焼け止めを塗る必要もないし、実際どんな日焼け止めクリームより肌を焼かずに済むのです!
どんなに塗ってもジリジリと焼けてくる、露出だらけの自分の肌を見て(失敗したなぁ…)と思いました。
おしゃれを優先して水着を選び、苦労して有害物質フリーの日焼け止めを選んだ私でした。でも、断然に賢かったのは、長袖の水着を選んだ人たちでした。
そういえば、沖縄では現地の人はみんな長袖を着て泳いでいたのを思い出しました。長袖こそが、肌を焼かない最強の「日焼け止め」であることを知っているからです。ビキニなんて履いているのは、観光客くらいです。
次、海水浴に行くときは絶対に長袖の水着で行こう。
そう心に強く思いました。おしゃれ水着は、リゾートプール限定で…。
海水浴でサンゴ礁を守るために出来ること
・できる限り、サンゴに触れない、踏まない。
・長袖の水着を着用し、日焼け止めは有害物質フリーのものを最小限の露出部分に塗る。
・シュノーケリングの場合は、顔全体を覆うマスクをつける。
サンゴは触れるだけで簡単に傷ついてしまうそうです。でも、サンゴが群生する岩場に波で押し流された時などは、方向転換するために岩場に手や足をかけなくてはなりません。そういうときは、出来るだけサンゴが生えていない岩場に手や足をかけましょう。
また、顔全体を覆うシュノーケリングマスクは、水が全くマスクの中に入ってきません。ということは、顔に塗ったに日焼け止めクリームが、海水に溶け出す心配がほとんどない、ということです。
また、私のようにコンタクトレンズをしている人でも、水が全く入ってこないでので安心してシュノーケリングを楽しむことができるというメリットもあります。
美しい海を楽しむために海へ行くのですから、その美しさをできり限り壊さないように細心の注意を払いたいものです。
サンゴに優しい「最強の日焼け止め」の関連商品
最近の長袖水着は、デザインも優れているものがたくさん出ています。それから、長袖水着のメリットとして「クラゲに刺されない!」ということも挙げておきます。露出が多かった私たちはたくさんやられて痛かったです。気になる紫外線カットも98.5%以上。海ではもう断然長袖の水着ですね。
顔全体を覆うシュノーケリングマスクは、日焼け止めが海水に流れ込むのを防ぐほか、鼻呼吸もできるのでとても楽です。また、視界が従来のマスクより広いので、海の景色が満喫できるのでお勧めです。
また、日焼けをしたら当日からのスキンケアで回復がだいぶ変わってきます。まずは冷却、そしてしっかりスキンケアをしてくださいね。
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