2019年8月にオープンした、エディンバラで初の100%ヴィーガンスーパー。
ずっと訪れたかったのですが、我が家から少し離れていることもあって、半年以上時が経ってしまいました。(本帰国前には必ず…)と思って、先日やっと果たしたお店訪問。
では、さっそくこの素敵なヴィーガンスーパーをご紹介しましょう。

Easter greens
エディンバラの中心街から少し北東に向かうと、観光客はめったに見かけなくなります。そこはもう、市民の暮らしが感じられる、飾らない街並み。
Easter Greens(イースター・グリーンズ)は、Easter Roadのはしっこに昨年オープンした、こじんまりしたヴィーガン100%のスーパーです。お店のテーマカラーは明るいグリーン。
お店の看板には「ヴィーガン」という言葉の代わりに、’100% Plant based groceries’(100%プラントベースのスーパー)という言葉が。ヴィーガンだけではなく、環境問題に関心のある人やアレルギーを持った人たちも意識しているのでしょうね。
プラスチックを極力排除する仕組み
今や、ヴィーガンであることと環境問題への取り組みはセットで語られることが多くなってきました。ですから、Easter Greensの店内ではプラスチック包装を減らすための努力が隅々に感じられました。


気になるお値段ですが、例えばこのマッシュルーム。ブラウンマッシュルーム(Chestnut mushrooms)は、普通のスーパーでは1㎏あたり£4くらい(£1/250g)。ですから、2割ほど高いことになりますが、量り売りには、必要なだけ買えるというメリットもあります。

驚いたのは、フレッシュハーブもプラスチックフリーということです!セージ、フェンネル、タイム、ローズマリー、イタリアンパセリ、バジル…。たいがいのハーブは揃えてありました。また、30gで80ペンスというのは、普通のスーパーとほぼ変わらないお値段です。

Easter Greensでの量り売りは、野菜・果物にとどまりません。なんと液体洗剤も量り売り!レジの後ろには15種類もの液体洗剤やソープが量り売りできるように並べられています。
台所用洗剤、洗濯洗剤はもちろんのこと、バスルーム洗剤やシャンプー、リンス、ハンドソープにも対応しています。Easter Greensで取り扱われている洗剤類はすべて持続可能(Sustanable)な資源を原材料とし、環境と動物を配慮したものとなっています。
カラのボトルを持ってくれば、日常生活に必要な液体せっけん類をすべてここでリフィルしてもらえます。プラスチックボトルは、「リサイクル」という分類で処分はしても、またボトルとして再利用されるわけではありません。ですから、捨てずに再利用することが一番のエコなのです。
エコにはちょっとした手間がかかります。大型スーパーなら難しいことも、小さなお店ならきめ細やかに対応してくれるのがありがたいと思いました。
私が買ったものの中から…
イギリスは世界で最もヴィーガニズムが進んでいる国の一つなので、一般のスーパーのヴィーガンコーナーも年々充実してきています。それでも、まだまだ手に入りにくいものもあります。
例えばこのEasy Egg。ひよこ豆の粉などを原料としたヴィーガン卵だそうです。スクランブルエッグ、キッシュ、オムレツまで作れるとか!また試していないのですが、また別の機会にレポートしたいと思います。
また、大好きなチョコレートも普通のスーパーではいちいち原材料を確かめなければいけないのが少々面倒でした。ここでは、安心して買うことが出来ました。
それからフロス。この容器は植物由来のバイオプラスティックで出来ています。また、フロスの中身だけ買ってケースは再利用できるようになっているのがさらにエコ。願わくば、日本でも中身だけ購入できるといいのですが…。
ヴィーガンスーパー、これから増えるの?
さて、Easter Greensのようなヴィーガン専門スーパーは今後増えていくのでしょうか?イギリスではロンドンを始めとして、ここ数年で次々とヴィーガン専門スーパーが生まれました。
しかし、イギリスでは大手スーパーでもプラントベース食品のコーナーが目に見えて拡大しています。実際、プラントベースのミルクなどは、大量仕入れが可能な大手スーパーの方が種類も豊富で安い場合すらあります。
そのような中で、このようなヴィーガン専門スーパーの意義は一体どこにあるのでしょうか?お店を後にしたあと、私はふと考え込んでしまいました。
イギリスではプラントベース食品の92%は、実はヴィーガンでない人々に消費されていることが分かっています。つまり、「ヴィーガン」を自称するほど徹底はしていないけれど、日々の食生活の中で肉や乳製品を減らすためにプラントベースの食品を取り入れている人がとても多いということなのです。
だから、そういう人のショッピングカートの中には、プラントベースの食品とお肉や卵が混在しているわけです。また、そういう人たちは1週間に数回の食事についてはプラントベースを選ぶことはあっても、チョコレートやケーキなどのし好品、また日用品についてはこだわりを持たない場合が多いでしょう。
しかし、徹底してヴィーガニズムを貫いている人たちにとっては、普通のスーパーでは手に入らないものもたくさんあります。また、買い物の際にいちいち原材料の表示を確認するのは大変です。そうした場合、ヴィーガン専門スーパーというのは、とても便利だし安心してお買い物が出来るという利点があるわけです。
一夜にしてヴィーガンになる人はほとんどいません。何年もかけて、頭と心と胃袋と相談しながら、徐々にシフトしていく場合が多いと思います。
そういった意味では、現在生活の一部にプラントベースを取り入れている層が、5年後、10年後にさらにプラントベース志向を強めていく可能性は十分にあります。
普通のスーパーは、より多くの人がプラントベースを生活の一部として取り入れるのに適しています。そして、ヴィーガン専門スーパーは、普通のスーパーを補う形でこれからも需要が増してくると私は思います。そしていつか、普通のスーパーとヴィーガンスーパーの境界線がぼやけてくる日が来たら…。それは、地球に住むすべての者にとって幸せなことだな、と思いました。
easter greensの基本情報
Easter Greenウェブサイトを参照ください。
【Easter Greensで買えるもの】
オーガニック食品、ヴィーガンチーズ、ヴィーガンミート、トイレットペーパー、キッチンペーパー、サニタリー、洗剤や基本的な日用雑貨まで取り扱っています。
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